Q.事業保障対策について教えてください

A.経営者が亡くなったときなど、経営環境の変化による資金需要の発生等に備えた緊急予備資金の必要保障額を把握し、適切な準備を行うことが必要になります。

事業保障に必要な資金は以下の通りです。

  1. 経営者死亡時に必要となる資金
  2. 会社の借入金返済や、会社清算にあてる資金
  3. 経営の変化で退職する従業員の退職金のための資金
  4. 経営トップ交代による売上減少などによる資金不足の補填
  5. 事業承継をスムーズにするための自社株購入資金・相続税の納税資金

これらの資金を運用していくために、事業保障対策に有効な保険を役員、社員にかけるという方法がありますので、解説します。
事業保障対策に有効な保険には大きく分けて二つのタイプがあります。

事業保障、休業補償の機能に特化された保険

定期保険
収入保障保険
医療保険・がん保険(定期タイプ)

事業保障・休業補償以外の「+α」の機能がある保険

終身医療保険・終身がん保険(解約返戻金のないタイプ)
終身がん保険(解約返戻金のあるタイプ)

1.定期保険

保険期間が決まっている生命保険です。保険期間が「80歳まで」「90歳まで」等の長期にわたる「全期型」と、「1年」「3年」等の「更新型」があります。
解約しても「解約返戻金」がほとんどないいわゆる「掛け捨て」の保険で、その分保険料の額も比較的低く抑えられていて、最もシンプルなタイプの生命保険といえます。

メリット
低いコストで必要な保障を受けながら、保険料の全額を損金に算入することができる。

デメリット
定期保険の死亡保険金は一時金として支払われ、その年度の「雑収入」として一気に益金に算入される。つまり、保険金が一度に全て収入として入ってくるため、一気に税金がかかってくる。

毎年500万円の赤字が出ていると仮定した時の定期保険の保険金割合

2.収入保障保険

保険期間の満了期を引退を予定している時期に設定して加入する保険です。死亡した場合、給付金が毎月「年金形式」で支払われます。

収入保障保険は保険金が分散して支払われるため、一気に税金がかかることはない

メリット
保険料の額が定期保険よりもさらに低い
何歳で加入しても、保険料の額はあまり高くならない

3.医療保険・がん保険(定期タイプ)

医療保険は病気やけがの場合の入院費・手術費等を一定の範囲で保障する保険です。経営者・役員を被保険者(保険の対象)、給付金(≒保険金)の受取人を法人として加入します。

がん保険は、がんに特化した医療保険です。がんと診断された時点でまず100万円程度の一時金が給付され、入院費用、手術費用、通院費用等についてそれぞれ給付金が受け取れるタイプが主流です。

医療保険もがん保険も、保険期間は、期間が決まっているもの(定期タイプ)と、一生涯のもの(終身タイプ)とがあります。法人で加入する場合、定期タイプと終身タイプでは、定期タイプの方が保険料の額が低くなります。

4.終身医療保険・終身がん保険(解約返戻金のないタイプ)

終身タイプの方が定期タイプよりも保険料が割高な分、事業保障・医療保障以外にも「+α」の活用方法があります。それは、退職金代わりに経営者・役員個人へと「名義変更」する方法です。契約時に、保険料の支払いが終わる時期を経営者・役員の退職時期に合わせて設定しておき、そのタイミングで退職金代わりに支給するのです。

こうすれば、払込が完了した契約を経営者・役員個人へと名義変更することになるので、経営者・役員は、以後は保険料を支払わずに一生涯の保障を受けることができます。なお、解約返戻金がないタイプの終身医療保険・がん保険の場合は、名義変更をしても法人・個人ともに経済的な負担が発生しません。

5.終身がん保険(解約返戻金のあるタイプ)

終身タイプのがん保険でも、解約返戻金のあるタイプは、解約返戻金を退職金の準備に活用することができます。保険料は1/2を損金に算入できますが、解約返戻金の返戻率は80~90%にとどまります。そのため、返戻率が低い分(≒保険料が目減りする分)については、その分一生涯のがん保障を受けられることの対価としてとらえるべきでしょう。

この方法は数年前まではメジャーな活用法でした。保険料の全額が損金に算入できるという扱いが黙認されていたためです。しかし、数年前に通達が出され、損金算入の割合が1/2に制限されました。そのため、以前と比べて退職金準備に活用するうまみは薄れています。ただし、たとえば、経営者・役員が生命保険に加入しようとして診査で引っかかってしまった場合であれば、がんの場合への備えと退職金の準備・損益計上のタイミング調整を兼ねて加入するのは合理的だと思います。また、生命保険には保障の限度額というのがあるので、それ以上の額で加入したいというのであれば、ひとつの選択肢になります。

Q.運転資金対策について教えてください。

A.運転資金とは事業を継続的に続けていくために必要なお金のことを指します。細かくみると、事務所の家賃や光熱費、従業員への給与、仕入分の支払いなどです。こうした運転資金の十分な確保は安定した資金繰りには欠かせないものです。安定した資金繰りのために、しっかりした運転資金の考え方が必要なのは、売り上げ回収にある程度のタイムラグが発生するためです。

支出と収入のタイムラグ

収入は仕事が完了してから1ヶ月後、2ヶ月後、あるいは3ヶ月後のように後で入金されることがほとんどです。この、仕事をしても売上金が入ってきていない部分を売掛金といいますが、売掛金が実際に入金されるには時間がかかるため、仕入れとの間に大きなタイムラグが発生してしまいます。

仕入れと売り上げのタイミングがずれるために、一時的な資金不足に陥りやすくなるのです。そのため、事業が黒字であっても、資金繰りが厳しくなって倒産になることもあります。

運転資金対策として正常運転資金を計算してみることがあげられます。
正常運転資金の計算式は「売上債権+棚卸資産-仕入債務=運転資金」です。正常運転資金を算出することによって、運転資金運用の目安になります。

  • 売上債権
    • 売り上げが発生、つまり仕事は完了したものの、現金として手元に送られてきていないもののこと、受取手形も含まれます。資金繰り悪化に大きな影響を与える部分です。
  • 棚卸資産
    • 簡単にいうと在庫のことを指します。商品はもちろん、製造業ならストックしている原材料も棚卸資産です。
  • 仕入債務
    • 売上債権の逆のこと。仕入れに対してまだ支払いが完了していない部分を指します、勘定科目でいうと買掛金や支払手形にあたる部分です。

実際の運転資金が算出した正常運転資金よりも下回っていた場合、以下の対策・改善方法があげられます。

  • 売上金の回収を早める
  • 在庫を早めに減らす
  • 支払いを遅らせる
  • 銀行融資をうける
  • リースや割賦の利用

Q.労務管理について教えてください。

A.労務管理とは従業員の仕事に対する意欲を保ち、労働環境をより良いものにしていくことを考えることをいいます。一般的には人事部や総務部が労働管理を担っています。労働管理の内容については主に以下の通りになります。

  1. 労働時間管理(勤怠管理)
    • 労働基準法では、使用者は労働時間を適切に管理するよう定められています。日々の労働時間や残業時間、休暇の取得状況が適切か監視し、また始業・終業時刻といった労働時間記録の管理を担います。
  2. 給与計算
    • 就業規則に基づき、労働実績(勤怠)に応じた支給額を計算します。社会保険料などの控除額、交通費、経費などを正しく算出し支給しなくてはなりません。法の遵守とともに、従業員の信頼を失わないためにも、慎重な取り組みが求められます。
  3. 社会保険の手続き、管理
    • 採用時、従業員のライフステージが変わったときなど、企業が行うべき公的手続きの実施、管理を行います。
  4. 安全衛生管理
    • 労災対策、パワハラやセクハラなどハラスメント対策、従業員の健康を守るうえでのストレス対策など、従業員の安全と健康を守るための制度設計や推進を担います。
  5. 労務トラブル対応
    • 実際にトラブルが発生したときにどう対応するか、仕組みを定めるのも労務管理の役割です。従業員の相談を広く受け付ける窓口を設け、一次受付対応も行います。
  6. 就業規則の作成、管理
    • 会社のルールを定め運用するうえで、就業規則は中核的な機能を持つものです。労務管理者は、法律にのっとって就業規則を作成し、雇う側・雇われる側双方が守れるよう務める責務があります。

労務管理行うにあたっての関連資格

  • 社会保険労務士(社労士)
  • 労働管理士
  • 衛生管理者免許
  • マイナンバー実務検定

Q.事業承継について教えてください。

A.事業継承とは会社などの「事業」を後継者に引き継がせることです。現金や預貯金、不動産などの個別の資産ではなく、「事業」そのものを引き継がせることがポイントです。「事業」には会社が有している個別資産だけではなく、会社の経営権や会社のブランド、信用や取引先、負債などが含まれます。中小企業の場合、会社の運営全体が経営者本人に大きく依存していることが多いです。

事業継承の方法。後継者に継承する方法とその他がある

事業承継の方法は人(後継者)に継承する方法と、その他があります。

  1. 後継者への承継
    • 最もメジャーで、検討すべきメインの方法となります。子ども以外にも、現在会社で働いている従業員や役員から、適任な人を探して経営者としての地位を譲渡します。後継者に事業承継するときには、経営者が有している株式を譲渡するとともに、経営者がふだんこなしている仕事を、今後代わりにしてもらえるように後継者として育成します。引継ぎもしなければなりません、取引先にも新しい後継者を周知させて、受け入れてもらう必要があります。また、中小企業の経営者は、企業の借り入れに個人保証をしていることが多いのですが、事業承継をするときには、後継者に対し、そうした負債の引継ぎも行う必要があります。
  2. 上場
    • 子どもも従業員も会社の引き継ぎに適任でない場合、会社を上場することによって事業承継をする可能性も検討できます。上場すると、経営者本人による個人保証や、個人資産の担保提供は不要になりますし、外部から有能な人材を集めやすいので、後継者も比較的容易に見つかります。ただ、上場はそう簡単には認められません。証券取引所によって厳しい審査があるため、零細企業や事業所の場合には上場は非現実的でしょう。
  3. M&A(企業の吸収・合併)
    • M&A(企業の吸収・合併)場合、事業の承継先は、別の会社です。つまり、今の会社を他の会社に「買ってもらう」ことが目的です。M&Aによって企業を売却したら、購入した企業が、引き続き事業を経営してくれるので、事業をつぶさずに済み、円滑に承継をしてもらうことができます。
  4. 廃業
    • 承継が不可能な場合、廃業も選択肢となります。

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